Iznik(イズニック)

Iznik(イズニック) 
15世紀後半に、オスマン朝宮廷工房との間に生産ラインを結んだ後、その名を
知られるようになったイズニックですが、一般大衆向けの陶器生産はそれ以前より
行われていました。

イズニックにある Nilüfer Hatun İmareti Müzesi ( ニリュフェル・ハートゥン・
イマーレッティ 博物館) 

イズニックの窯跡から出土した陶器の破片が展示されていて、ビザンツ時代から
オスマン朝時代までの陶器史を一気に見ることが出来ます。
博物館はこじんまりとしているのですが、展示物はとっても面白い!
イズニックへ行かれた方は、是非見て欲しい博物館です。

ここで展示物の一部をご紹介。
まずは、12~13世紀、ビザンツの陶片です。
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赤土の上に化粧土を掛け、その化粧土を引っ掻いて削り、下層の赤土の色を出しつつ
装飾していく技法、スグラフィト技法を使っています。
モチーフは人物や動物など、とってもユーモラスです!自由です!
展示ケースに張り付いて見てしまいました。

上のものと同じテクニックを用いてオスマン朝期に入ってから作られたもの。
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この作例がたまたまなのか、デザインはビザンツ時代のものよりもシンプル。
緑、茶色の釉薬がかかると三彩のようで、途端に親近感を覚えます。

これもオスマン朝時代にはいってから作れた陶器。
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スリップ技法を用いて作られたものの陶片です。
赤土の上に、化粧土を部分的に用いて模様を描いています。

以前に紹介したミレトス手の陶片です。
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14世紀~15世紀のもので、赤土の上に白い化粧土を全体にかけて、その上に
コバルトブルーで魚を描いています。ソバカス魚?

そして、15世紀後半、いわゆる “イズニック・チニ、イズニック陶器”と言われる白土で
作られた陶器の登場です。
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陶片から、土がそれまでのものに比べて、白いのが分かるでしょうか?
イズニックのタイル・陶器の特徴の一つで、これまでの赤土に変わり、砕いた石英を
多く含む白土を使った事を示しています。

赤土から白土へ。
オスマン朝初期ブルーアンドホワイトの生産と共に現れた変化です。

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イズニック散策の帰りに、お皿を一枚お土産に買ってきました。
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赤土の上に白い化粧土を掛けて、16世紀後半の“ダマスカス手”の色、
モチーフで装飾されたお皿。
素材、技法、色、モチーフ、色々な時代が一枚に凝縮されたイズニック皿です。
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by ateliercinicini | 2010-12-02 22:37 | タイル・陶器・工房散策 | Comments(2)
Commented by teppeiyama at 2010-12-05 04:44
愛嬌のある人物画や魚、こういうのもあるんだ。
表情もマンガチックで親近感がわきます。
3つめの写真の銅釉の緑、いいですねえ。織部っぽい。こういうの好きです。
時系列に見ると、この土地の文化の変遷がうかがえて面白いですね。
Commented by ateliercinicini at 2010-12-05 21:21
◆teppei さん
赤土と緑釉。温かみがあっていいですね。私も好きです。

>時系列に見ると、この土地の文化の変遷がうかがえて面白いですね。
色々な民族や文化が入り混じった土地ならではの魅力ですよね。
ホント、面白い!


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