Şam İşi (シャム・イシ) / ダマスカス手

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           Şam İşi (シャム・イシ)/ ダマスカス手
          渋い色に、少々風変わりなアレンジがされた花々。

Şam İşi(シャム・イシ)/ ダマスカス手は、1530年代から1560年代という
短期間に作られていたグループです。
コバルトブルーとターコイズブルーで生き生きと自由に描いた『職人様式』の流れを
汲むものと思われます。

ダマスカス手』の特徴は色です。
コバルトブルー、ターコイズブルー、緑、紫が使われます。
渋い感じで、私は大好きなんですが、、、、地味すぎます?
イズニック・チニのもっとも品質の良かった時代に作られていますので、
白く滑らかな素地に、薄く肌の細かい化粧土、透明でツルツルな釉薬が
掛けられ、それはもう手に取って触れたくなります。

16世紀の後半には、これに良く似た陶器がダマスカスで作られるようになります。
実は、最近までこのタイプの陶器はダマスカスで生産されアナトリアにも流通して
いたのだと思われていました。
そのため、『ダマスカス手』と呼ばれていたのですが、これもまたイズニック窯の
発掘により見つかった破片から、もともとの(1530年代から1560年代の)
『ダマスカス手』はイズニックで作られたものであることが明らかになりました。 
(『Milet İşi/ミレトス手』、『Haliç İşi/ハリチ手』についで、3つ目の早とちり命名
陶器です。)
そのため、ダマスカスで作られた『ダマスカス手』と分けて、『イズニック産ダマス
カス手
』と呼ぶ
事もあります。
イズニックの自己主張は強いのです。
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とっても大胆ですね。
お皿の縁からはみ出しそうになる程、逞しく勢いのよいアーティチョークです。
その勢いに押されて、チューリップがア~レ~と吹き飛ばされそうです。
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この青いのもアーティチョークでしょうか?
薄い紫で描かれて花はバラで、側にあるフォークのようなのはバラのつぼみ。
なんだか歌っているかのようで楽しげです。

*********

『(イズニック産)ダマスカス手』は陶器(器物)がほとんどで、タイルは極めて
少ない例が残るのみ。
Bursa(ブルサ)にある Yeni Kaplıca hamamı (イェニ・カプルジャ ハマム)の
男湯の壁を飾っているそうです。
残念ながら、私には実際に見ることができそうもありません。。。
ブルサ旅行に行かれる男性!
是非、ハマムで汗を流しながらタイルを鑑賞してみて下さい!

本場ダマスカスのダマスカス手は、タイルも多く残っており、その色、デザインが
独特です。
次回ご紹介したいと思います。


上の写真は 『 IZNIK 』 / ヌルハン・アタソイ からお借りしました。



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by ateliercinicini | 2010-12-07 21:54 | 様式・文様・技法の話 | Comments(2)
Commented by madamkase at 2010-12-10 22:19 x
この記事の最後の写真のフォークのようなバラの蕾、どこかで見たな、と思ったら
それもそのはず、つい先日、あなたがイズニックに行かれてお土産に買って来たという
茶色い縁の丸皿の中のデザインでした。
あはは、私は目を皿のようにして見ています。アマスィヤのガイドブックの翻訳をしていて、
ハタイ・ルーミーって何だかわからなかったというわけでリベンジに燃えているわけでは
ありません。こうしてここの記事を読ませて貰ううち、勉強しているわけですよ。
だんだん面白くなってきました。頭の中をまとめるためにレクチャーを受けたいです。
Commented by ateliercinicini at 2010-12-11 22:03
◆madamkaseさん
正解です!
さすが、madamkaseさん、素晴らしい注意力!
以前に紹介したイズニック土産のお皿は、この記事最後に載せた写真のお皿の
部分コピーです。

>こうしてここの記事を読ませて貰ううち、勉強しているわけですよ。
>だんだん面白くなってきました。頭の中をまとめるためにレクチャーを受けたいです。

タイル画を描くのが専門で文章書くのは不得手なのですが、書くことで、
私も頭の中をまとめています。
まだまだ勉強中です、レクチャーなんてとんでもない。
でも、お役に立てれば嬉しいです。笑
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