<   2010年 10月 ( 13 )   > この月の画像一覧

Milet İşi(ミレット イシ) / ミレトス手

b0206491_3231934.jpg

            (マンガチックな魚がかわいい)

オスマン朝時代から君侯国時代へちょっと戻って陶器の話。

イズニックは、オスマン朝時代に宮廷からの注文を受けてタイル・陶器生産をしていた
事で有名な町です。ですが、オスマン朝時代に入って突然陶器生産を始めたわけでは
なく、それ以前より生産活動を行っており、君侯国時代には既に、イズニックは陶器
生産の一大中心地として、アナトリアとエーゲ海沿岸に流通する陶器の大部分を生産
していました。

そんなイズニック産陶器の一つにミレトス手(Milet İşi(ミレット イシ))と呼ばれるものがあります。
ミレトス手は、君侯国時代からオスマン朝初期(14世紀後半~15世紀)に流通していた
と推測されており、赤い素地の上に白い化粧土を掛け、主にコバルトブルーで彩色され
ています。(彩色には他に、ターコイズブルー、緑、黒も使われています。)
デザインは、丁寧な図案を元に描くのではなく、フリーハンドで生き生きと、勢いある筆
使いで描かれているのが特徴です。
庶民向けの日常使い用に生産されていた陶器であるため、丁寧な扱いはうけておらず、
故に、今日まで残るものが少ない上、史料にも書かれていないので正確な年代付けは
出来ていません。

b0206491_3454060.jpg

    (勢いがありますね。渦巻きの様な葉?はよく用いられる模様です)
b0206491_3462740.jpg

         (これはアーティチョーク?ざくろ?なんでしょう?)
b0206491_34702.jpg

            (兎に角、渦巻きが好きなようです)

名前の由来はちょっとややこしいのですが、、、
このミレトス手という名前、トルコの西海岸 “ミレトス”という町の名前から来ています。
(ミレトスでは古代ギリシャより陶器生産が行われていました。)
このタイプの陶器は、エーゲ海の島々で破片が多く見つかっていた事から、本格的な
発掘調査がなされる以前は、“Ada seramiği”(島の焼き物)と呼ばれてました。
それが、アナトリアの西海岸ミレトスでの発掘で大量に見つかったため、ミレトスで生産
された陶器と考えられ、“島の焼き物”改め“ミレトス手”と名付けられました。
ところが!
その後の調査により、このタイプの陶器の最大の生産地はイズニックである事が判明
します。
紛らわしいですが、既にミレトス手という名は定着しているため改名されず、そのまま
ミレトス手と呼ばれています。
しかし、中にはイズニック産であることを強調したい学者さんたちもおり、本などを読むと
昔はミレトス手と呼ばれていたイズニック陶器”という長い名前で書かれている場合も
あります。長すぎ。
現在では最大の生産地はイズニックで、それに次いでキュタフヤ、アマスヤ、ヤロヴァ、
イスタンブル、コンヤなど各地で生産されていたことが分かっています。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-30 04:00 | 様式・文様・技法の話 | Comments(2)

有難うございました!装飾タイル展 無事終了

先々週、先週と開かれていた装飾タイル展、無事終了しました。
忙しい中お時間を割いて来て下さった方、遠くからお越し下さった方、
日本からメッセージを下さった方々、皆様、本当に有難うございました。

タイルという素材が好きで、タイル画制作を日々楽しんでいます。
それだけでも幸せなのですが、作った作品を見て頂いて感想を伺ったり、異なる
感性の方から意見を聞くことは刺激的ですし、作品展に訪れてくれる人々の中から
タイル好きの友達を得てゆけるのは嬉しい事この上ありません。
そういった意味でも、今回の作品展は色々な意見を伺うことが出来、多くの方と
知り合う場となり有意義なものでした。
お陰様で、やる気十分、充電されました。
再度、どうも有難うございます!

作品展が終わり一息ついて、気持ち新たにタイル画制作開始です。
合わせて、又、トルコタイル話をちょこちょこ書いてゆきますので、これからも宜しく
お願いします。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-29 23:59 | 展覧会・作品展 | Comments(2)

挑戦!トルコでペルシャ語を習う

タイルと言えばイラン。
いつかは、イランへ行きタイルを堪能したいというのが夢です。
その為には、やっぱりペルシャ語でしょう。
という訳で、大学時代ペルシャ語学習を始めました。
ところが、トルコでは一般の人々のイランに対する関心はほとんどなし。
ペルシャ語教本というのがほとんどありません。
大学生でも、「イランはアラビア語じゃないの?」という始末。
隣国なんだから、もう少し興味を持っても良いと思うんだけれども、、、

本もなくどうしようかと思い、オスマントルコ語の先生に相談すると、
「オスマントルコ語の授業もさぼらないと約束するなら、昼休みにペルシャ語を
教えてあげるよ。先生なしでどうやって語学を身に着けるつもりなんだい?」
と、ありがた~いお言葉。感謝、感謝です、先生、ありがとう!
こうして、週に一度ペルシャ語の授業を受けることになりました。
でも、根が怠け者の私、ペルシャ語は正規の授業でないためにテストもない、
故に全く身につきません。
泣きたくなる程の覚えの悪さに先生に呆れられ、私も、その時に至って、そうだ、
中学生時代から語学学習が苦手だったんだ!って事を思い出しました。
結果、1年程授業を受けたにもかかわらず全く覚えられず卒業。
が、面倒見のよい先生は、卒業した今も時々電話をくださり、ペルシャ語で
話しかけてくれます。ごめんなさい、先生!全然、わかりません。

それでも、イランへ行こう!ペルシャ語を話そう!という気持ちはありまして、
先生に薦められた『ペルシャ語会話独習帳』を時々開いております。
でも、なんだか変な方向へ気がそれてしまうのですよね。
b0206491_19572055.jpg

イランには歴史的建築物や細密画など表紙に相応しいものが沢山あるのに、
教材の表紙にこの写真を使うのはなぜか?
b0206491_2011952.jpg

「一般的な事」という章の挿絵が泥棒?泥棒、多いのかしら。。。
b0206491_2011395.jpg

「一般会話」のあるページの例文。

さあ、どうなることやら、、、見てみましょう。     ばかばかしいわ!
いつだってさ、こんなことってあるよね。       全く意味がない!
急いでいるの。                      当然です。
ありえるね!                       確信あるの。
                               確信ないの。
                               ~についてどう思います?

この初歩の会話独習帳。(表紙と内容にギャップあり)
泥棒が出てきたり、気の強い女性に声をかけて、ボロボロになったり(いつだって、ある
ことだよね、こんなことっ)、、、こんな場面ばかりです。
語学のテキストにもお国柄って出るものですね。
ペルシャ語の先生は昔コーラン学校の先生だった信仰心が厚く固い方。
その先生が、真面目な顔でこれらのフレーズを読むのが、私にはとっても違和感が
あって不思議なのですよ。
これまた学習に集中できず、気が逸れていってしまうことになってしまいまして、、、
ペルシャ語習得への道はとっても長いのです。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-24 04:54 | イスタンブルで大学生活 | Comments(4)

タイル教室 / リュステム・パシャ モスクのタイルデザイン

トルコタイルがお好きな方に、どんなタイルがお好きですか?と尋ねると、
伝統的なルーミー・ハターイ様式がお好きな方、チューリップ文様がお好きな方等、
皆さんお好みも様々、中には、「リュステム・パシャ モスクのタイルが好きです」と
かなりこだわりのある方もいらっしゃいます。

デザインが複雑で、初心者の方には難しいものもありますが、タイル教室では、
出来る限り、皆さんのお好みのタイルを楽しく作って頂きたいと思います。
b0206491_355364.jpg
b0206491_3552294.jpg
b0206491_3554057.jpg

写真はいずれもリュステム・パシャ モスクのタイルデザインに倣って描いたものです。
チューリップ文様と言い、色のバランスと言い、とってもトルコ!

タイル絵付け教室にご興味のある方、タイトルに ”タイル教室”と明記の上、 
istanbultile@gmail.com 宛に お問い合わせ下さい。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-24 04:05 | 絵付け教室 | Comments(2)

ギャラリーで人間観察

現在作品展を開催中で、今週はギャラリーに案内係として座って過しておりました。
ギャラリーはイスタンブルの繁華街ベイオール地区の区役所の一階にあり、
人通りは多く、毎日区役所に用事があって来る人々も大勢います。
そんな中、訪れて下さる人々を観察。

※ 地元のおじさん、おばさん達 
市役所へ用事でやって来て、ギャラリーにある椅子に座って休憩。
お話に夢中で、タイルやお皿をチラリとも見てくれません。
しかも、編み物始めるおばさんもいるし。。。
おじさん、おばさん、ぐるりと首を回すだけでもいいから作品を見て下さ~い。
でも、一人で座っていると淋しいから、居てくれてありがとうっ。

※ 触ってみる、引っ張ってみる。
好奇心の赴くままに、タイル画の表面に触ってみる。
ツルツルして気持ちよさそうなので、触りたくなるのでしょうね。
その気持ち、わかります。
ですから、この程度であれば、後ろから見守ってます。
ところが、引っ張ってみるという行動に出られる人もいます。
タイル画はかなり重いのです。それが、紐一本で釣られていてすごいなぁ、
どれ位耐えるのだろうと引っ張ってみたくなるのでしょうか、さらには、もっと、
重くても大丈夫なのかな?と試したくなるのでしょう。
これは怖いです。止めて下さ~いと飛んでゆきます。

※ 他のギャラリーからの呼び込み?
近くのギャラリーで個展を開いている方のスタッフが、こちらの会場へ出張。
サイン入り小さなプレゼントを渡し、ご自分のギャラリーへお客さんを誘導。
まぁ、すごい気合の入れようだなぁ~と思うけど、怒るほどのことではないので、
見過しておきます。

※ 困ってしまう・・・お客様?スパイ?
作品展にわざわざ足を運んで来て下さる事は、とっても有難く、更に作品を
気に入ったと言って頂けると、思わず涙ぐんでしまう程に嬉しいのです。
が、困ったこともあります。中には丸々デザインを盗んで行く人々もいるのですよ。
気に入って頂くのは嬉しい!だけど、何ヶ月もかけて考えてやっと作品として
仕上げたデザインが、作品展の半月後には、お土産物屋さんに並んでしまう。
非常に虚しくなります。
(しかも数百円で売られているし。。。商品として勝てないよ~)
トルコはコピー天国。一度、人前に出してしまえば、あっという間にコピーされて
しまいます。覚悟はしていても厳しい現実に、やる気が失せてしまいます。
非常に悲しい。
という訳で、作品展2日目からは、作品の写真撮影禁止となり、純粋に作品を
気に入って写真を撮りたいと言う方々には申し訳ないと思いながら、写真撮影の
申し出をお断りせざるを得ませんでした。ごめんなさい。

トルコ人のコピー力というのは、本当にスゴイもの。
有名な作家さんの中でも、コピーを売りとしてしていらっしゃる方までいる程、
社会全体、コピー、盗作について罪の意識が薄いのです。
う~ん、なかなか大変だ。

ギャラリーに座っての案内係。
色々な人を観察できて面白く、個性的な人々や好奇心の赴くままに行動する人々が
多くて、持っていった本を読むことなく時間が過ぎてしまいました。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-23 20:35 | 展覧会・作品展 | Comments(8)

オスマン朝 ブルーアンドホワイトの始まり

b0206491_201210100.jpg

               (トプカプ宮殿割礼の間外壁面タイル)

 15世紀第二四半世紀頃より始まったオスマン朝のブルーアンドホワイト陶器・タイル
生産のきっかけとなったのは、当時なかなか手に入れることができなかった中国青花の
流行です。
中国からもたらされた元および明代磁器は近東の陶器やタイル芸術に強烈な影響を与え
ます。中国磁器の多くは海路で一部は陸路を通りイラン(ティムール朝、サファヴィー朝)、
シリア、そしてエジプト(マムルーク朝)へと持ち込まれており、これら中国陶磁器の注文
主もそれを扱う商人も、多くはイラン人、アラブ人でした。

同時期のオスマン朝と中国との交易関係はと言うと、これらの国々に比べると極めて限ら
れたもので、中国陶磁器の入手は困難でした。
それでも、中国陶磁器がほしいオスマン朝スルタンはどうしたか?
輸入陶磁器の代わりに、中国明代磁器に似せた陶器やタイルを国内生産するよう宮廷
工房に命じ、イズニック、キュタフヤへ注文し始めることにしたのです。

1514年、スルタン・セリムがアレッポとダマスカスを手にし、1516-17年にスルタン・
スレイマンがイラクと北東イランへとオスマン帝国領土を拡大した事により、この地域に
あった豊富な中国磁器コレクションがオスマン朝宮廷へと運びこまれます。
スルタンは大喜びしたに違いありません。

この中国磁器コレクションを元にしたブルーアンドホワイト陶器やタイルは、宮廷から
イズニックとキュタフヤへなされた類似デザイン品やレプリカの注文生産によって、
オスマン朝に根付いたものとなってゆきます。

b0206491_20161821.jpg

          (イスタンブル・トプカプ宮殿所蔵 明代磁器)
b0206491_20164778.jpg

        (イズニック産皿 / 『IZNIK』 Nurhan Atasoy より)

b0206491_20171988.jpg

          (イスタンブル・トプカプ宮殿所蔵 明代磁器)
b0206491_2017495.jpg

        (イズニック産皿 / 『IZNIK』 Nurhan Atasoy より)

中国磁器をコピーしつつも、やっぱり空間の残し方、モチーフの大きさ・バランスを自分達
好みにアレンジしています。面白いですよね。

15世紀後半から16世紀中葉、イズニック、キュタフヤでの中国磁器のコピー生産と平行
して、オスマン朝宮廷工房からは独自のブルーホワイトの3様式(ババ・ナッカシュ、
ハリチイシ、サズヨル
)が生み出されてゆきます。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-19 20:46 | 様式・文様・技法の話 | Comments(4)

始まりました!装飾タイル展

b0206491_132876.jpg

装飾タイル展『タイル庭園の春』始まりました!
10月14日、しとしとと雨の降る肌寒い日でしたが、多くの方がギャラリーに足を運んで
下さって、賑やかな開幕となりました。
最初はあまりに込み合っていて、作品を見て回るのが困難な程でした。
本当に有難い。
b0206491_2105042.jpg

オープニングでは、伝統トルコタイルや陶器に描かれる文様について、今回の作品に
おける新しい試みについての話が30分程あり、皆、真剣に耳を傾けていました。
私も、久々のシターレ先生(写真左)の講義に、学生時代に戻った気分。
b0206491_1424983.jpg

b0206491_1434148.jpg

今回の作品群。
ちょっと遠目からで個々の作品は見づらいと思いますが、全体に大きな作品が多く
力作揃いなのがお分かりでしょうか?
b0206491_2215715.jpg

b0206491_223252.jpg

b0206491_224519.jpg

どれも生き生きとしていて素敵です。
伝統も守り、更に、自分らしさも出しています。

一堂に集められた作品を見て改めて感じた事は、子供の頃から育ってきた文化の
影響って大きい、という事です。
一つ一つの作品はとても個性的ですが、全体にまとまりがあります。
(その中で異質な感があったのは、日本人の作品。調和を乱してごめんなさい。)
トルコ人の構図は、たいてい左右対称で、空間恐怖症的に画面を埋め尽くし、余白は
均等に配しています。これが、彼らには落ち着くのですね、きっと。
ところが、この構図は私には圧迫感を与えるのです。だから、左右対称を崩し、余白も
多めに取ってホッとします。
余談ですが、実はこの感覚の違いが、大学在学中、苦労した原因でもあります。
伝統芸術を学ぶ以上、基礎は受け入れて真似なければならないですから。
これはもう文化の違い、血の違いですから、難しい。。。

これから、来てくださる方、作品展には様々な作品があります。
伝統的なもの、斬新なもの、現代的なもの、調和を乱したもの。
色々な見方で楽しんでくださいね。
b0206491_145874.jpg

入り口のこんな垂れ幕(↑)が目印です。

オープニングで、雨の中来て下さって皆さん、本当にどうも有難うございました!
これから来てくださる方、有難うございます!
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-18 03:25 | 展覧会・作品展 | Comments(0)

装飾タイル展のご案内 本日オープニング!

装飾タイル展『タイル庭園の春』 本日18時オープニングです。

昨日は、会場作りをして来ました。
何十人もの人の個性的な作品を配置するのって、本当に大変ですね。
作品はそれぞれが個性的すぎて、全体がバラバラ。
会場作りでは、船頭多くして船山にあがる。
芸術系かつトルコ人気質が溢れる人々は、大学へ入学したその日から、
各々が自分が一番!の自称芸術家ばかりですし、、、
朝から始まった会場作りは夜までかかってしまいました。

それにしてもトルコ人はすごい!
自分を最高に見せる事に関しては、女性、男性問わず気力も体力も底なしです。
意見を否定されてもめげない、妥協しない、主張を曲げないタフさ!
外見重視の生来の派手好き!
最後にはとっても華やかな会場が出来上がりました。
見習わないといけない点がたくさんあるなぁと思った一日です。

本日18時オープニングです。
(夕べの段階でカタログがまだ出来てなかった。大丈夫か?)
お時間のある方、どうぞお立ち寄りくださいね。
お待ちしております。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-14 19:24 | 展覧会・作品展 | Comments(0)

君侯国時代~オスマン朝初期(14-15世紀)タイルについて

このブログではトルコタイルについて思いついたまま点描的に書いているのですが、
やはり大雑把にでも歴史的流れをつかんでおいた方が、タイルを見るときに更に
面白くなると思いますので、今回はちょっとばかり退屈な概説を書いておきます。

諸君侯が割拠した14世紀、現在のトルコの大部分であるアナトリアでは、ルーム・
セルジューク朝期ほどの手の込んだタイル装飾はみられません。
(ルーム・セルジューク朝期のタイルについては、いつか書きたいと思っています。)
中央、東と北アナトリアではセルジューク朝芸術の跡が残り、南アナトリアでは、
エジプト、イランなど別のイスラム芸術の影響が見らる、と言ったように各地で技法
的にも様式的にも多様で混沌とした模索期に入っていたと言えます。
この時代は、主として彩釉煉瓦、モザイクタイル、単彩彩釉タイルが用いられ、更に
クエルダセカ技法が新たに加わります。

b0206491_19401819.jpg

        (イズニック、イェシル・モスクのミナレットの彩釉煉瓦)

大きな変化は西にオスマン朝が出現すると共に現れ、この流れがオスマン朝初期から
オスマン朝古典期へと展開するオスマン朝芸術の先駆けとなります。
ブルサにあるオスマン朝初期の建築物ではベイリック時代用いられた技法と共に
釉下絵付ブルーアンドホワイトが使われ始めたことが見てとれます。

(ブルサは静かでそれ程大きくない街です。街そのものがタイル博物館のようで多種
多様なタイルで溢れていて、タイル好きにはお勧めの街です。)

b0206491_19405456.jpg

      (ブルサ、イェシル・モスクのモザイクタイル。細かいです。)
b0206491_19413262.jpg

  (ブルサ、ジェム・スルタン廟の単彩彩釉タイル。基本はコバルトとターコイズブルー)
b0206491_1942242.jpg

      (よく見ると、上から金彩が施されているのがわかります。)
b0206491_19423930.jpg

            (ブルサ、イェシル・モスクのクエルダセカ。)
b0206491_1943698.jpg

  (ブルサ、シェッザーデ・アハメット廟。ブルーアンドホワイトタイルのボーダー)

その後ブルサの次に首都となったエディルネ、そしてイスタンブルでは彩釉煉瓦、
モザイクタイルが次第に使われなくなり、16世紀中頃にはクエルダセカによる装飾も
なくなってしまいます。オスマン朝では専ら釉下絵付け技法を用い、その中で様々な
様式を展開してゆくことになるのです。
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-11 20:08 | 様式・文様・技法の話 | Comments(0)

『タイル庭園の春』 ・ 装飾タイル展

b0206491_2464364.jpg

来週、10月14日(木)より10月24日(日)の期間、イスタンブル・ベイオールの
イスティクラル通りで装飾タイル展があります。

『 Çini Bahçesinde Nevbahar / タイル庭園の春 』 
   Minar Sinan Güzel Sanatlar Ünversitesi
   Sitare TURAN BAKIR Atölyesi öğrencileri


私の卒業大学、伝統トルコ芸術学科チニ(装飾タイル)専攻アトリエの展示会です。
今回の展示は、全ての準備を先生方がして下さって、生徒である私達は作品を提出
しただけという感謝、感謝の展示会となりました。
来週開催なのですがポスターも招待状もまだ刷り上っていませんので、ここで案内
させて頂きます。

初日、10月14日(木)、オープニング18時で、同時にシターレ・トゥラン・バクル教授
による短い講演もあります。
  Türk Çini ve Seramik Sanatında Tasarım Anlayışı
   Pro.Dr. Sitare TURAN BAKIR


シターレ先生指導の下、私達学生は、伝統様式に則ったタイル製作をするだけでは
なく、これまでの伝統様式で使われなかった花々を、様式化して独自のスタイルを
持った形で描く試みをしてきました。
その試みの開花を、この展示会で見て頂けると嬉しく思います。

上に載せたポスターでは、お恥ずかしながら、私が製作したタイル画を使って頂きま
した。左端に見える花は“サギ草”を様式化して、一つのタイルパネルの中でチュー
リップと一緒に使っています。(季節感なし、四季ごっちゃまぜがトルコ的です。)

10月14日(木)~24日(日)の期間、イスタンブルにいらっしゃる方でタイルや陶器に
ご興味のある方は、是非お越し下さい。お待ちしています。

場所は、Beyoğlu Belediyesi Sanat Galarisi No.217 Tünel 34433 Beyoğlu
  (イスティクラル通りのトゥネルに近いところです。平日は18時まで、日曜休み)
[PR]
by ateliercinicini | 2010-10-08 03:34 | 展覧会・作品展 | Comments(6)