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年末年始のタイル教室

早いもので2010年も残すところ一ヶ月ちょっと。
ここ数年、この時期になると、年頭に立てた目標が達成出来なかった!と反省する
どころか、目標何だったっけ?と思い出す事すらままならなくなってきています。
トルコに来てからというもの、年賀状も書かなくなって。。。怠け者です。


トルコでは年末年始の特別な行事がありませんが、1月1日は休日です。
(その前後、12月31日、1月2日は通常通り。)

イスタンブル、アトリエ・チニチニのタイル教室も、1月1日お休みの他は12月31日、
1月2日も教室は開いております


2~3時間で体験できる『トルコタイル体験コース』 もあり、ご旅行でトルコへ来られる方にも、お気軽に試して頂けます。
(出来上がったオリジナル・タイルは、焼成後、郵送致します)

ご興味のある方は、
タイトルに”タイル教室”と明記の上、 istanbultile@gmail.com 宛 お問い合わせ
下さい。
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by ateliercinicini | 2010-11-28 00:55 | 絵付け教室 | Comments(0)

Yavuz Sultan Selim Mosque (ヤウズ・スルタン・セリム   モスク) / イスタンブル

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久しぶりにモスク・廟散策です。
モスクは石造りのため内部に入っても冬は寒く、以前は冬のモスク巡りは
避けていました。
ところが最近は、モスクの内部は床暖房で座ると温かい。
ぬくぬくとして、つい居眠りしそうになります。
気持ちの良い空間です。

今回の散策先はイスタンブルの旧市街ファーティヒ地区にあるYavuz Sultan Selim Camii / ヤウズ・スルタン・セリム モスク 
金角湾に近い丘の上にそびえるモスクです。
スルタン・セリムの命により宗教複合施設の中心として建設が始められたのですが、
1520年にスルタン・セリムが亡くなった為、その建設は息子のスルタン・スレイマンに
引き継がれ1522年に完成しました。
このモスクの建築家は、Acem Ali、あるいはその弟子のMimar Sinanのいずれか
であると言われています。

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モスクの内外、窓の上にかまぼこ型の組みタイルが配されています。
使われている技法は、クエルダセカ。
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以前に見たエディルネにあるムラディエ・モスクに比べると、同じ技法を用いたタイル
にも関わらずモチーフ一つ一つが大きくなり、繊細というより大胆な印象を与えます。
イラン的だったのが、オスマン的になってきたのでしょうか?
全体の雰囲気が随分異なりますね。
コバルトブルー地あるいは緑地に、ターコイズブルー、白、黄色、緑、紫などで
ルーミーやハターイ、ペンチが描かれています。

併設されているŞehzadeler Türbesi(シェッザーデレル・トュルベスィ)皇太子廟、
Yavuz Sultan Selim Türbesi(ヤウズ・スルタン・セリム トュルベスィ)ヤウズ・
スルタン・セリム廟
の入り口もクエルダセカ・タイルで装飾されています。
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                雪の結晶の様で綺麗ですね。
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                黄色使いが大胆!
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  スルタン・セリム廟の内部、棺を囲む部分の螺鈿細工も可愛らしいです。
  チューリップとペンチでしょうか?


******
モスク、廟共に観光客に公開されていますが、廟は月曜日、閉められています
このモスクのある場所は保守的な地域ですので訪れる際に、女性はスカーフを
お持ちになるのをお忘れなく!
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by ateliercinicini | 2010-11-27 23:09 | モスク・廟巡り | Comments(0)

Ustaların Üslubu(ウスタラルン ウスルブ)/ 職人様式

ババナッカシュ様式ハリチ手サズ様式と、オスマン朝タイルのブルーアンドホワイト
3様式について書いてきました。
このうち、ババナッカシュ様式とハリチ手の陶器は多く作られたのですが、サズ様式の
陶器作例は数点あるのみです。
(下の写真は、そのうちの一つです。)
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という訳で、陶器(器もの)における“ブルーアンドホワイト3様式”というと、その一つが
入れ替わり、ババナッカシュ様式、ハリチ手、そしてUstaların Üslubu(ウスタラルン
ウスルブ)/職人様式
となります。
Ustaların Üslubu(ウスタラルン ウスルブ)/職人様式、変わった名前ですね。


ババナッカシュ様式、ハリチ手、サズ様式は、いずれも宮廷工房の一流アーティスト達
が、宮廷で使われる事を意識し、練り上げられた複雑な構図に、抽象的なモチーフや
想像上の動物などを使い描いた“芸術”でした。
その作風は美しくはありますが、冷たい印象を与えます。

ここで紹介する『 職人様式 』は、宮廷とは無関係な、名前の通り職人達が作った、
様式・流派にこだわらない自由な作風を持つグループです。
構図はシンプルで、テーマ自由、描き方も自由です。
(ルーミー、ハターイ様式の描き方には厳しいルールがあります。)

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よく使われるモチーフは花。
宮廷様式ではハターイ,ペンチの様な抽象的な花が描かれていましたが、職人様式で
は、これはチューリップ、あれはヒヤシンス、あるいはカーネーションと種類を判別でき
る姿で花々を描いています。
他にも船、人、動物など、宮廷作品で見られないモチーフを描いたものがあります。
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このグループの作品の絵付けの特徴として、“空間恐怖症”的に埋め尽くす事が、
あげられます。
その埋め尽くし方がまた独特です。(適当といってもいいのかもしれません。。。)
宮廷アーティスト達であれば、構図を考えて、考えて、几帳面に空間を埋めていくで
あろうところ、職人達は、
「あっ、ここ空いちゃった、ババナッカシュのモチーフ使って埋めとこっ!」
と、かなり適当というか、フレキシブルにと言おうか、上手く空間を埋めていきます。
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例えば、上のこのお皿。
         真ん中に花瓶と花を描いたけど、脇が空いてしまいました。
         どうしようか?
         下地を青く塗って、ババナッカシュ・モチーフ描いちゃえ!
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これは、 木にとまっている小鳥を狙う蛇。
      描きあげてから、余白が多いことが気になった。。。
      これも周囲を青く塗って、ババナッカシュ風の葉っぱで埋めてみよう!
      かなり自由です。。。

職人様式』は1520年の終わり頃始まり、1550年代には姿を消した様式です。
今日に残る作例は少量なのは、おそらく、以前に見たミレトス手同様に、一般市民の
日常使いのために作られた陶器である為、割れたり、棄てられたりして、残っていない
のでしょう。
宮廷工房からのオーダーで作ったものとは違い、『職人様式』は一つ一つが個性的で
人間的。芸術作品とは言われないけれども、とても魅力的ですよね。


写真はいずれも Nurhan Atasoy 『IZNIK』 よりお借りしました。
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by ateliercinicini | 2010-11-26 21:34 | 様式・文様・技法の話 | Comments(2)

Saz Yolu (サズ・ヨル) / サズ様式

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ババ・ナッカシュ様式ハリチ手と続いたオスマン朝ブルーアンドホワイト3様式の話。
今回はその最後、『サズ様式』です。
サズ様式について、以前に紹介したことがありますので、今回は主に写真でご紹介。

サズ様式タイルの傑作と言えばトプカプ宮殿にある5枚のパネルです。
宮殿の一番奥にある『Sünnet Odası(割礼の間)』前壁にある、麒麟が描かれた
4枚のパネルと、花瓶から溢れ出す植物が描かれた1枚。

まずは『割礼の間』壁面の左端にポツンと一枚配された花瓶が描かれたパネル。
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花瓶から伸び出し、画面いっぱいに描かれた長い葉は、サズ様式の典型です。
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萩を思い起こさせるような花。
中国雲の如く先がグルグルと巻いた蔓。
サファヴィー朝(イラン)のフィルターを通ってオスマン朝へ入って来た“東洋”を
感じさせます。


次は麒麟タイル。
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割礼の間入り口の左右に2枚ずつ、写真の様にタイル・デザインが反転した形で
描かれています。
4枚のタイルは、おそらく別々の人によって描かれたのでしょう。
図案は同じですが、よく見るとそれぞれ描き手の個性が出ていて興味深いのです。
このうちの一枚は、きっとデザイナー工房の長であるシャークルが描いて、他は
お弟子さん達が競って描いたのだろうなぁと、想像しながら見ると楽しさが倍!
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麒麟の顔は龍に似ていると言われますが、、、これは龍より可愛い、鹿の様な麒麟です。
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             頭に角があります。雄の麒麟でしょうか?

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上の写真と下の写真、同じ鳥ですが、描手によってこんなに表現が違うのですね。
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麒麟パネルはどれも、優れた手によって描かれてますので甲乙付けがたい
素晴らしさです。
それでも、“これが一番!これがシャークルの描いたものに違いない!”
と思わせる一枚があります。
(単に私の好みだということで。ちなみに友人は別の一枚を選んでました。)

これからトプカプ宮殿を訪れる方、麒麟パネルを見つけたら、じっくりと観察して、
ご自分の一番!選んでみて下さい。
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by ateliercinicini | 2010-11-21 21:53 | 様式・文様・技法の話 | Comments(4)

サズ様式タイル・パネル、出来上がり!

夏に焼いたサズ様式の8枚組みタイル・パネル
8枚中3枚が焼成中に割れてしまいました。
がっかりしまして、直ぐには描き直せず、しばらく放置。

先日、ようやく取り出して描き直しました。
それにしても、放置期間長すぎた~。
色の濃淡、どんな感じだったっけ?
思い出せない。。。
感です。
ダメなら、一から描き直せばいいのよねっ!
と、半分開き直っての描き直し。

描きながら、やっぱりサズ様式大好きだ~!と再認識。
鳥、長~い葉っぱにハターイ、ペンチ
細かい描き込み、大胆なそして流れるような線。
筆を使うのが楽しくなります。
(だったら、もっと早くに描き直せばよかったのに。と思う。)

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左上の一枚が、描き直しタイルの焼成前の状態です。
色の濃淡、これでたぶん大丈夫。(自信ない。。。)

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出来上がりました。
こんな感じです。
以前に焼いたのと、今回の焼き直し分。
違和感なく上手く合っているように見えます。

夏からずいぶん時間が経ってしまいましたが、ようやく完成~。
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by ateliercinicini | 2010-11-20 18:48 | 日々の絵付けと作品と | Comments(4)

トルコタイルで、“虫”に挑戦!!!

最近のタイル作りです。

オスマン朝タイルは、モスクや廟といった宗教的建築物を装飾する目的で制作されて
いる為、植物文様が主に使われています。
宮殿や私邸を飾るタイルの中には、魚や鳥などの動物を描いたものも見られますが、
それはとても稀です。

一方、私は動物や虫が大好きです。見るのも描くのも。
タイル画を描く時も、ちょこんと葉っぱの上に虫をとまらせてみたりします。
この小さい虫、誰か発見してくれるかな~と考えながら描いていると楽しくなります。

ですが、トルコ人の中には、“動物は何とかOKだけど、虫なんて・・・”と顔を歪めて
露骨に嫌がる人が多いので、虫を描くこと、かなり冒険なんです。
(やっぱり、不快感を与えたくないですから。。。)
それでも描きたいんです!と、私も意固地になりまして、とりあえず、可愛らしい
ところ、蛍やてんとう虫から始めてみました。


先日の授賞式で、賞への返礼としてタイル画を贈りました。
“自分らしい作品を贈って下さい。”という大学側からのメッセージに従って、
描きました。 虫。 蛍、3匹 !!! 
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大丈夫だと思うんだけど。。。う~ん、やっぱり心配。
勢いで蛍を描いてはみたものの、気が小さいので、前もってトルコ人数名に見せて
反応を見てみることにしました。
中には 「なんで、虫なんか描くの? 」と、蛍をモチーフとして使うという発想自体、
理解できない、と言う意見もありましたが、多数は、「蛍。面白ね!」 と好評な様子。
(と、勝手に受け取る。)
大丈夫、受け入れてもらえそうです。
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受け取られたサバンジュさんも、顔をしかめてなかったし(よく見えなかっただけ?)、
この調子で  どんどん描いていこうかな?
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by ateliercinicini | 2010-11-19 03:19 | 日々の絵付けと作品と | Comments(2)

修復終了!-Süleymaniye & Mihrimah Sultan Camii

Süleymaniye Camii(スレイマーニエ・モスク)と Mihrimah Sultan Camii 
(ミフリマー・スルタン・モスク)
の長い、長い修復が漸く終わり、礼拝に(観光にも)
開かれることになりました。
イスラム圏では昨日16日から犠牲祭が始まったのですが、この大切な犠牲祭の
礼拝に合わせての再開です。

この二つのモスクは、いずれもイスタンブルにありオスマン朝芸術の最盛期16世紀に
建築家ミマル・シナンによって建てられたモスクです。
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Süleymaniye Camii (スレイマーニエ・モスク) 
イスタンブルへ来られた方は、おそらくこのモスクの名前を一度は耳にされたのでは
ないでしょうか?中には実際に足を運ばれた方もいらっしゃると思います。
1550年から1557年まで、7年の歳月をかけて建てられたオスマン建築の最高傑作と
言われるモスクです。
金閣湾沿いを歩きながら見るスレイマーニエ・モスクの姿は本当に素晴らしいのです。
日々の小さな不平不満、ネガティブな思いをあっという間に霧散させてしまいます。
このモスクは2007年始まった修復の為、閉まっておりました。
3年を経て漸くの再開です。

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そして、イスタンブルEdirnekapı(エディルネカプ)にあるMihrimah Sultan Camii 
(ミフリマー・スルタン・モスク)
 。

スルタン・スレイマンの娘ミフリマーの為に、1562年から1565年にかけて建てられた
モスクです。
シナンが3年で建てたモスク、なんと11年もかかっての修復でした。
(しかも、隣接するメドレセや庭にある施設の一部は未だ修復中)
何事も、のんびりなトルコにおいてでさえ、この修復の遅さはヒドイ!
勿論、丁寧な仕事故の遅延ではありません。

再開を記念して礼拝へやって来たタイイップ・エルドアン首相も、
「・・・ミマル・シナンが3年で建設したところを、11年も修復にかかっている。
残念ながら、我々は後退していると言わざるを得ない。・・・」
と挨拶されていました。
ホントにねぇ。。。他に言葉がありません。

兎に角、二つのミマル・シナン作品が、修復され開かれたことは嬉しい事です。
近々、モスク散策に行ってきます。


上の写真は “Mimari Sinan Eserleri” よりお借りしました。
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by ateliercinicini | 2010-11-17 20:37 | モスク・廟巡り | Comments(0)

感謝!『サークップ・サバンジュ芸術賞』頂きました!!!

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               (サバンジュ家の方々と受賞者一同)

『サークップ・サバンジュ芸術賞』(*)を受賞しました!とっても嬉しいです!
大学を卒業できた時は涙が出そうな嬉しさを感じましたが、今回の受賞は涙なし、
踊り出したい嬉しさです。(踊れないんですけどね。)
大学を卒業した時点で受賞の可能性はあったものの、私の場合トルコ国籍所持者
ではないために最後まで保留。落ち着かない状態でした。
授賞式の3週間程前にようやく外国人でも問題なしとの連絡を頂き、正式に受賞が
決まりました。
寛大なサバンジュさん、ありがとうございます!!!
これからも、タイル画制作、頑張ります!

11月9日にサバンジュ博物館で行われた授賞式では、私が単身トルコに来て以来、
いつも気にかけ支えてくれた3人の友人&その娘さんに見守ってもらって、終始笑い
続けた幸せ一杯の一日となりました。

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今は組織に属して制作活動をしている訳ではなく、「職業は『タイル画作家』です」と
言っても、あくまで“自称”。
自分で言うのも何ですが、私、胡散臭い事この上ない者です。
故に、つい小声で自己紹介をしてしまいがち。
今回、賞を頂いた事で、「タイル画作家です」とちょっぴり声量上げて言えそうです。




『サークップ・サバンジュ芸術賞』 (Sakıp Sabancı Sanat Ödülleri )。
 サバンジュはトルコの財閥の一つ。
 そのサバンジュ・グループの先代会長であるサークップ・サバンジュ氏は
 トルコ芸術の大支援者で、1994年に『サークップ・サバンジュ芸術賞』を
 設けました。以来毎年、サバンジュ財団は、ミマルシナン芸術大学の“絵画”、
 “彫刻”、“伝統トルコ芸術”の3学科の卒業生上位3名にこの賞を授与し
 続けています。
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by ateliercinicini | 2010-11-13 19:19 | イスタンブルで大学生活 | Comments(14)

Haliç İşi (ハリチ イシ) / ハリチ手

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オスマン朝のブルーアンドホワイト3様式より2つ目の紹介です。
Haliç İşi(ハリチ手)
Haliç(ハリチ)とは、トルコ語で“金角湾”のこと。
渦巻きを配したような模様をもつこのタイプの陶器は、当初イスタンブルの金角湾近辺で
生産されていたと考えられていました。
そして、実際にその地域での発掘で破片が出土した事から、『ハリチ手(金角湾手)
と呼ばれるようになったのです。

ところが、その後の調査で、イズニックの窯跡から破片が多く出土し、主な生産地は
イズニックであるという事が明らかとなりました。
一方、イスタンブルの金角湾付近の窯跡からはハリチ手の破片が見つからず、先に
出土したものはおそらく日常使いされていた製品の破片であろうと今では考えられて
います。
この様に、『ハリチ(金角湾)手』もまた、ミレトス手同様に、早とちりで名付けられて、
定着してしまった名前です。
この紛らわしい名を避けて、『Helezoni Tuğrakeş (渦巻状トゥーラケシ)様式 』
という名で呼ぶケースもあります。
(スルタンのトゥーラ(花押)装飾に用いられたためです)
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  Üç Şerefeli Camii (ユチ・シェレフェリ・モスク)1437-47 / エディルネ
        (アラビア文字の背景に大きな渦巻きが描かれています。)
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  Çoban Mustafa Paşa Türbesi (チョバン・ムスタファ・パシャ廟)1528 / ゲブゼ
       (渦巻きが巻ききっていませんが、なんとなくハリチ手らしい。)

ハリチ手によるタイルの作例は数える程しかなく、多くは皿や壷に描かれました。
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                 (『IZNIK』 Nurhan Atasoy より)

ちなみに、トルコのお土産物屋さんでは、
「このハリチ様式の渦巻き一つ一つはイスタンブルの七つの丘を象徴します。
イスタンブルの思い出として素敵なお土産ですね!」
とお話されることがあります。
そう言われると、あらっ 不思議!
渦巻きが丘に見えてくる?!
本当に旅の記念に最適に思えてくるではないですか。。。
もぅ、ホントに根拠がないのにもっともらしい話を作りあげるのが上手なんだから!
天晴れトルコ商人!拍手!!
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by ateliercinicini | 2010-11-12 04:55 | 様式・文様・技法の話 | Comments(0)

Baba Nakkaş (ババ ナッカシュ)様式

15世紀後半、いよいよ、宮廷工房でデザイナー達が次々と図案を生み出し始め、
オスマン朝文化が華やかに展開してゆきます。
まずはオスマン朝ブルーホワイトの3様式(ババ・ナッカシュ、ハリチイシ、サズヨル)
のうち、Baba Nakkaş (ババ・ナッカシュ)様式 から、ご紹介したいと思います。

ババ・ナッカシュ様式は、宮廷デザイナーの第一人者ウズベキ出身のBaba Nakkaş(ババ・ナッカシュ) のアトリエから生まれました。
(トルコ語でババはお父さん、ナッカシュはデザイナーです。デザイナー達の親父さん
的な方だったんでしょう。)

ルーミーとハターイ様式を巧みに組み合わせ、他に、中国雲、幾何学文様、アラビア
文字をモチーフとして使いました。
と言うと、とても普通?な古典装飾に思えますが、伝統的なモチーフを極めてオリジナ
リティーある形で描いているのです。
私、最初に見た時、
「これって、ありですか?ババ・ナッカシュさん遊んでる?」
と思いましたもの。

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               (ババナッカシュ流ハターイ。)
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                      (ペンチ。)
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           (巨大なルーミー。もう何とコメントしていいのか。。。)

葉先をくるりと内に覆いかぶせるような葉や、渦巻きを描いたような丸い輪郭線を
持つハタイやペンチ、シイタケの断面図あるいは凧のようなルーミーなど、馴染みの
伝統的モチーフを一つ一つ個性的に三次元的な感じを与え表現をしています。
どうでしょうか?お好みですか?
私は、、、好きなんです。描いてて楽しいのですよ。

ババ・ナッカシュ作品の重要性は、諸々の点で“初尽くし”な事です。
まずは、前述した通り、ルーミーとハターイ様式を組み合わせて初の宮廷様式を
作り出したこと。これは、チニ・陶器に限らず、テズヒップやメタルワークでも見られます。
チニ・陶器においての“初”は、それまでの赤土にかわり初めて磁器に似た石英を多く
含む白土が用いられた事、そしてその生産のために宮廷とイズニックとを繋ぐ生産ライン
が起こされた事です。
宮廷がチニ・陶器生産に本格的に力を入れ始めたことを示しています。

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ババナッカシュ、タイル作品は少なく、ほとんどがお皿や壷といった陶器作品です。
1470年代から1520年代にみられるババナッカシュ作品、初期の作品は、当時流行
していた中国青花の構図を模したタイプです。
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濃い藍地に白抜き模様で、息が詰まりそうになる程に密度濃く埋め尽くしています。
モチーフ一つ一つが同じような大きさで描かれ、几帳面で硬いイメージを与えます。
かなり高度に練られた構図です。
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時代が下るにつれ、反転し白地に青で描かれるようになり、余白が多くとられ、モチーフに
大小のメリハリが見られます。
よく考えられた構図であることには変わりありませんが、初期に硬いイメージに比べると、
肩の力が抜けた感があります。

ババナッカシュ様式、デザインにはくだけた様な面白みがありますが、やはり宮廷デザ
イナーの手によるものですから、構図や絵付けの美しさ、器の質の良さは最高です。
前回紹介したミレトス手と同時代のものなのです。
宮廷使いのお皿と、一般大衆用のお皿。
違いますねぇ~。
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by ateliercinicini | 2010-11-05 21:35 | 様式・文様・技法の話 | Comments(2)