Milet İşi(ミレット イシ) / ミレトス手

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            (マンガチックな魚がかわいい)

オスマン朝時代から君侯国時代へちょっと戻って陶器の話。

イズニックは、オスマン朝時代に宮廷からの注文を受けてタイル・陶器生産をしていた
事で有名な町です。ですが、オスマン朝時代に入って突然陶器生産を始めたわけでは
なく、それ以前より生産活動を行っており、君侯国時代には既に、イズニックは陶器
生産の一大中心地として、アナトリアとエーゲ海沿岸に流通する陶器の大部分を生産
していました。

そんなイズニック産陶器の一つにミレトス手(Milet İşi(ミレット イシ))と呼ばれるものがあります。
ミレトス手は、君侯国時代からオスマン朝初期(14世紀後半~15世紀)に流通していた
と推測されており、赤い素地の上に白い化粧土を掛け、主にコバルトブルーで彩色され
ています。(彩色には他に、ターコイズブルー、緑、黒も使われています。)
デザインは、丁寧な図案を元に描くのではなく、フリーハンドで生き生きと、勢いある筆
使いで描かれているのが特徴です。
庶民向けの日常使い用に生産されていた陶器であるため、丁寧な扱いはうけておらず、
故に、今日まで残るものが少ない上、史料にも書かれていないので正確な年代付けは
出来ていません。

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    (勢いがありますね。渦巻きの様な葉?はよく用いられる模様です)
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         (これはアーティチョーク?ざくろ?なんでしょう?)
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            (兎に角、渦巻きが好きなようです)

名前の由来はちょっとややこしいのですが、、、
このミレトス手という名前、トルコの西海岸 “ミレトス”という町の名前から来ています。
(ミレトスでは古代ギリシャより陶器生産が行われていました。)
このタイプの陶器は、エーゲ海の島々で破片が多く見つかっていた事から、本格的な
発掘調査がなされる以前は、“Ada seramiği”(島の焼き物)と呼ばれてました。
それが、アナトリアの西海岸ミレトスでの発掘で大量に見つかったため、ミレトスで生産
された陶器と考えられ、“島の焼き物”改め“ミレトス手”と名付けられました。
ところが!
その後の調査により、このタイプの陶器の最大の生産地はイズニックである事が判明
します。
紛らわしいですが、既にミレトス手という名は定着しているため改名されず、そのまま
ミレトス手と呼ばれています。
しかし、中にはイズニック産であることを強調したい学者さんたちもおり、本などを読むと
昔はミレトス手と呼ばれていたイズニック陶器”という長い名前で書かれている場合も
あります。長すぎ。
現在では最大の生産地はイズニックで、それに次いでキュタフヤ、アマスヤ、ヤロヴァ、
イスタンブル、コンヤなど各地で生産されていたことが分かっています。
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# by ateliercinicini | 2010-10-30 04:00 | 様式・文様・技法の話 | Comments(2)

有難うございました!装飾タイル展 無事終了

先々週、先週と開かれていた装飾タイル展、無事終了しました。
忙しい中お時間を割いて来て下さった方、遠くからお越し下さった方、
日本からメッセージを下さった方々、皆様、本当に有難うございました。

タイルという素材が好きで、タイル画制作を日々楽しんでいます。
それだけでも幸せなのですが、作った作品を見て頂いて感想を伺ったり、異なる
感性の方から意見を聞くことは刺激的ですし、作品展に訪れてくれる人々の中から
タイル好きの友達を得てゆけるのは嬉しい事この上ありません。
そういった意味でも、今回の作品展は色々な意見を伺うことが出来、多くの方と
知り合う場となり有意義なものでした。
お陰様で、やる気十分、充電されました。
再度、どうも有難うございます!

作品展が終わり一息ついて、気持ち新たにタイル画制作開始です。
合わせて、又、トルコタイル話をちょこちょこ書いてゆきますので、これからも宜しく
お願いします。
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# by ateliercinicini | 2010-10-29 23:59 | 展覧会・作品展 | Comments(2)

挑戦!トルコでペルシャ語を習う

タイルと言えばイラン。
いつかは、イランへ行きタイルを堪能したいというのが夢です。
その為には、やっぱりペルシャ語でしょう。
という訳で、大学時代ペルシャ語学習を始めました。
ところが、トルコでは一般の人々のイランに対する関心はほとんどなし。
ペルシャ語教本というのがほとんどありません。
大学生でも、「イランはアラビア語じゃないの?」という始末。
隣国なんだから、もう少し興味を持っても良いと思うんだけれども、、、

本もなくどうしようかと思い、オスマントルコ語の先生に相談すると、
「オスマントルコ語の授業もさぼらないと約束するなら、昼休みにペルシャ語を
教えてあげるよ。先生なしでどうやって語学を身に着けるつもりなんだい?」
と、ありがた~いお言葉。感謝、感謝です、先生、ありがとう!
こうして、週に一度ペルシャ語の授業を受けることになりました。
でも、根が怠け者の私、ペルシャ語は正規の授業でないためにテストもない、
故に全く身につきません。
泣きたくなる程の覚えの悪さに先生に呆れられ、私も、その時に至って、そうだ、
中学生時代から語学学習が苦手だったんだ!って事を思い出しました。
結果、1年程授業を受けたにもかかわらず全く覚えられず卒業。
が、面倒見のよい先生は、卒業した今も時々電話をくださり、ペルシャ語で
話しかけてくれます。ごめんなさい、先生!全然、わかりません。

それでも、イランへ行こう!ペルシャ語を話そう!という気持ちはありまして、
先生に薦められた『ペルシャ語会話独習帳』を時々開いております。
でも、なんだか変な方向へ気がそれてしまうのですよね。
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イランには歴史的建築物や細密画など表紙に相応しいものが沢山あるのに、
教材の表紙にこの写真を使うのはなぜか?
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「一般的な事」という章の挿絵が泥棒?泥棒、多いのかしら。。。
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「一般会話」のあるページの例文。

さあ、どうなることやら、、、見てみましょう。     ばかばかしいわ!
いつだってさ、こんなことってあるよね。       全く意味がない!
急いでいるの。                      当然です。
ありえるね!                       確信あるの。
                               確信ないの。
                               ~についてどう思います?

この初歩の会話独習帳。(表紙と内容にギャップあり)
泥棒が出てきたり、気の強い女性に声をかけて、ボロボロになったり(いつだって、ある
ことだよね、こんなことっ)、、、こんな場面ばかりです。
語学のテキストにもお国柄って出るものですね。
ペルシャ語の先生は昔コーラン学校の先生だった信仰心が厚く固い方。
その先生が、真面目な顔でこれらのフレーズを読むのが、私にはとっても違和感が
あって不思議なのですよ。
これまた学習に集中できず、気が逸れていってしまうことになってしまいまして、、、
ペルシャ語習得への道はとっても長いのです。
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# by ateliercinicini | 2010-10-24 04:54 | イスタンブルで大学生活 | Comments(4)

タイル教室 / リュステム・パシャ モスクのタイルデザイン

トルコタイルがお好きな方に、どんなタイルがお好きですか?と尋ねると、
伝統的なルーミー・ハターイ様式がお好きな方、チューリップ文様がお好きな方等、
皆さんお好みも様々、中には、「リュステム・パシャ モスクのタイルが好きです」と
かなりこだわりのある方もいらっしゃいます。

デザインが複雑で、初心者の方には難しいものもありますが、タイル教室では、
出来る限り、皆さんのお好みのタイルを楽しく作って頂きたいと思います。
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写真はいずれもリュステム・パシャ モスクのタイルデザインに倣って描いたものです。
チューリップ文様と言い、色のバランスと言い、とってもトルコ!

タイル絵付け教室にご興味のある方、タイトルに ”タイル教室”と明記の上、 
istanbultile@gmail.com 宛に お問い合わせ下さい。
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# by ateliercinicini | 2010-10-24 04:05 | 絵付け教室 | Comments(2)

ギャラリーで人間観察

現在作品展を開催中で、今週はギャラリーに案内係として座って過しておりました。
ギャラリーはイスタンブルの繁華街ベイオール地区の区役所の一階にあり、
人通りは多く、毎日区役所に用事があって来る人々も大勢います。
そんな中、訪れて下さる人々を観察。

※ 地元のおじさん、おばさん達 
市役所へ用事でやって来て、ギャラリーにある椅子に座って休憩。
お話に夢中で、タイルやお皿をチラリとも見てくれません。
しかも、編み物始めるおばさんもいるし。。。
おじさん、おばさん、ぐるりと首を回すだけでもいいから作品を見て下さ~い。
でも、一人で座っていると淋しいから、居てくれてありがとうっ。

※ 触ってみる、引っ張ってみる。
好奇心の赴くままに、タイル画の表面に触ってみる。
ツルツルして気持ちよさそうなので、触りたくなるのでしょうね。
その気持ち、わかります。
ですから、この程度であれば、後ろから見守ってます。
ところが、引っ張ってみるという行動に出られる人もいます。
タイル画はかなり重いのです。それが、紐一本で釣られていてすごいなぁ、
どれ位耐えるのだろうと引っ張ってみたくなるのでしょうか、さらには、もっと、
重くても大丈夫なのかな?と試したくなるのでしょう。
これは怖いです。止めて下さ~いと飛んでゆきます。

※ 他のギャラリーからの呼び込み?
近くのギャラリーで個展を開いている方のスタッフが、こちらの会場へ出張。
サイン入り小さなプレゼントを渡し、ご自分のギャラリーへお客さんを誘導。
まぁ、すごい気合の入れようだなぁ~と思うけど、怒るほどのことではないので、
見過しておきます。

※ 困ってしまう・・・お客様?スパイ?
作品展にわざわざ足を運んで来て下さる事は、とっても有難く、更に作品を
気に入ったと言って頂けると、思わず涙ぐんでしまう程に嬉しいのです。
が、困ったこともあります。中には丸々デザインを盗んで行く人々もいるのですよ。
気に入って頂くのは嬉しい!だけど、何ヶ月もかけて考えてやっと作品として
仕上げたデザインが、作品展の半月後には、お土産物屋さんに並んでしまう。
非常に虚しくなります。
(しかも数百円で売られているし。。。商品として勝てないよ~)
トルコはコピー天国。一度、人前に出してしまえば、あっという間にコピーされて
しまいます。覚悟はしていても厳しい現実に、やる気が失せてしまいます。
非常に悲しい。
という訳で、作品展2日目からは、作品の写真撮影禁止となり、純粋に作品を
気に入って写真を撮りたいと言う方々には申し訳ないと思いながら、写真撮影の
申し出をお断りせざるを得ませんでした。ごめんなさい。

トルコ人のコピー力というのは、本当にスゴイもの。
有名な作家さんの中でも、コピーを売りとしてしていらっしゃる方までいる程、
社会全体、コピー、盗作について罪の意識が薄いのです。
う~ん、なかなか大変だ。

ギャラリーに座っての案内係。
色々な人を観察できて面白く、個性的な人々や好奇心の赴くままに行動する人々が
多くて、持っていった本を読むことなく時間が過ぎてしまいました。
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# by ateliercinicini | 2010-10-23 20:35 | 展覧会・作品展 | Comments(8)