At-Terouzi Mosque (アッテロウズィ モスク) /ダマスカス

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突然トルコからシリアに飛んでしまいました。
ダマスカスにあるアッテロウズィ・モスクです。 
”何故、いきなりダマスカス?”と思われるでしょう?全く関係がない訳ではないのです。
このモスクは、前回紹介したオスマン朝のムラディエ・モスク(1436年)と同時期、
1430年(マムルーク朝時代)に建てられたもので、内部のタイルがムラディエ・モスクと
同様タブリーズのタイル職人達によって作られているのです。
当時のイランのタイル作りの技術は群を抜いていて、中東各地にタブリーズのタイル
職人達が出向いてはモスクや廟、宮殿を飾るタイルを作っていました。


モスク内部の壁面下部がタイルで装飾されています。
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ムラディエ・モスクに比べると、デザインが雑でタイルの質も粗い感じです。
それでも、同じ系統の職人が作ったものである事を感じさせます。
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モスク内にある廟です。
内部に入る許可が下りなかったのでガラス越しの写真ですが、六角形のブルー&ホワ
イトの間に三角形のターコイズブルーのタイルが置かれていて、ムラディエ・モスクの
壁面装飾方法とよく似ているのが分かるでしょうか?
(この写真では分かりにくいですよね。。。)
デザインは、ムラディエ・モスクのものに比べると、それ程抽象化・幾何学化されてなく、
より中国的で生き生きしてます。
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# by ateliercinicini | 2010-09-20 19:31 | モスク・廟巡り | Comments(4)

Muradiye Mosque (ムラディエ モスク) / エディルネ

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エディルネにあるムラディエ・モスク。大好きなモスクです。
1436年に建てられたオスマン朝初期の建築物です。
外観はシンプルですが、内部は光が差し込んでとても明るく、壁を飾るタイルは、
それはもう美しい!ため息が出ます。

入った瞬間に思ったのは、トルコ的じゃない。。。
中国的?中央アジア的?イラン的なのかな?
清々しさや重々しさ、種々ごちゃ混ぜな不思議な雰囲気が漂っています。
その不思議さは何処から来るのでしょうか・・・

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正面にある大きなミフラブ。
クエルダセカ・テクニックで作られたタイルにより、隙間なく複雑な文様で
埋め尽くされています。
多彩で精緻な装飾です。綺麗です。圧倒されます!
ムカルナス部分は、中国磁器を真似た小さなブルー&ホワイトタイル。
濃密なクエルダセカと落ち着いたブルー&ホワイト。
このコンビネーションが素晴しい!!!
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左右の壁を見ると、六角形のブルー&ホワイトとその間にターコイズブルーの
タイルで埋められています。
中国磁器からとったモチーフや、それにイスラム的解釈を加えた幾何学文様が
面白いですね。
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空間を残さずに規則性を持って埋め尽くされた部分と、余白がたっぷり取られた
オーガニックな文様部分。
このコントラストが、漂う不思議さの一因になっているのでしょう。

ムラディエ・モスクのタイルは、イラン・テブリズから来た職人によって作られた
ものであると言われています。
この時期のモスクには、まだイズニックタイルは見られません。
イズニックタイルがモスクや宮殿の壁を飾るのは、もう少し先となります。
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# by ateliercinicini | 2010-09-15 03:40 | モスク・廟巡り | Comments(4)

オスマン朝時代生まれの先生

私の卒業したM大学には、愛校心の強い先生方がとても多く、退官された後も
大学に通い、かつて教え子であった現在の教授・助教授達をアシスタントにして
指導にあたられる方もいらっしゃいます。

80代、90代の先生方。学者として、画家として活躍し続けて来られた方ばかり。
とてもパワフルです。そしてチャーミングです。

「トルコ古典装飾」のK先生もそのお一人でした。
途切れることなく話し続けられ、私達学生の描いた絵への批評をして下さるのですが、
なにせオスマン朝時代に生まれた方です。
言葉が全く分かりません。。。
使われる言葉はトルコ語なのですが、単語がほとんどペルシャ語とアラビア語ばかり
なのです。
K先生は授業の際には、いつも私を一番前の真ん中に座らせ、私に向かって話され
ました。そして話終わった後、決まって、

「 R子、僕の言ったこと、分かったでしょ?繰り返し言ってみなさい。 
 僕は、君に向かって話したんだよ。 分からなかったとは言わせないよ。 


と言うのです。勿論、チンプンカンプンです。全く分かりません。

「 ごめんなさい、先生。全く分かりませんでした。 」

と答えると、嬉しそうに笑って、

「 あららら~。分からなかったの?
 ちゃんと来週までに復習して宿題して来るんだよ。これあげるね。
 」

とポケットから手描きのお手本や参考資料を取り出して私に渡し(公然のエコ贔屓)、

「 僕疲れたなぁ。じゃ、後の授業は○○教授に任せましたよ。では皆さん、又来週!
 誰か、僕が階段を下りるの手伝って下さい。
 」

と片手に杖を持ち、男子学生の腕につかまり帰って行かれる、そんな先生でした。


もうお一人、私は授業を受けることが出来なかったのですが、トルコ美術史のO先生も
オスマン朝時代のお生まれ。

試験対策の為にO先生に、

「 テスト勉強の為に先生のノートをコピーさせて下さい。 」

と大胆不敵にも正面から依頼に行った学生に、

「 いいですよ。貸してあげますよ。でも君に読めるかな? 」

とすました顔でオスマントルコ語(アラビア語表記)で書いた授業ノートとメモを手渡した
そうです。


素敵な先生方、楽しい授業でした。

大学時代の友達と会うと 思わず笑いながら懐かしむ話です。
でも、同時に、文字・言葉が変わった事がもたらした問題を目の当たりにして、諸々
考えさせられもするのです。
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# by ateliercinicini | 2010-09-11 07:16 | イスタンブルで大学生活 | Comments(8)

サズ様式

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トルコタイルと言うと、トプカプ宮殿にあるこのタイル画を思い浮かべる方、
多いのではないでしょうか?私もこのタイルが大好きです。

先の尖った長い葉が、大きくうねる波の様に螺旋状に伸びていき、
その大きな葉の間、間に、鳥が顔をだし、
葉の根元でのんびりと麒麟が葉を銜えている。
そんな森の中にいるかのような場面を描く様式があります。
Saz Yolu (サズヨル) ”、サズ様式です。

”Saz yolu" という名前の由来にはいくつか説がありますが、
古いトルコ語で ”Saz” が森という意味であったことからこの名前が
付けられたというのが最もよく記されている説です。

”Saz Yolu”とトルコ語で名づけられ、オスマン朝では16世紀中頃、
Şah Kulu (シャークル)によって始められたこの様式は、オスマン朝美術を
代表するものの一つなのですが、実はこの様式のオリジンは15世紀イラン。
Herat やTebrizではタイルに描かれることはなく紙上に描かれていました。

オスマン朝で宮廷工房長であった Şah Kulu はもともとは、戦争捕虜として
Tebriz から連れて来られた人です。彼によりTebrizの様式が持ち込まれたの
です。
      
*****     *****     *****      *****     *****
ちなみに、前回の記事に載せた鳥のタイル画の写真は、このサズ様式で
描いたものです。
サズ様式では鳥は葉や花よりも小さく描かれて、チョコンと顔を出すというのが、
通常なのですが、私は、力強く茎をくわえた大きな鳥を描いてしまいまして、
大学時代の先生に
『サズ様式の日本的解釈ね?まぁ、許容範囲内ね』
と苦笑されてしまいました。
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# by ateliercinicini | 2010-09-08 00:06 | 様式・文様・技法の話 | Comments(4)

ドキドキの窯出し!

先月描いた8枚組のタイルパネルが出来上がりました。

出来上がりを見るのはいつもドキドキします。
思い通りに出来上がったかしら?
綺麗に仕上げられたかしら?
割れてないといいなぁ~。
期待と不安で複雑な心境です。

で、今回は???なんと8枚中3枚も割れていた。。。ショックです。
仕方ないですね。もう一度やり直しです。

ところで、割れているか割れていないかも心配なものですが、それ以上に、心配なのが
出来上がりの色です。絵の具は、焼く前の色と、焼きあがった時の色とは全く違います。
薄めに塗っても濃く出る色。盛り上げる様に塗らないと発色しない色。絵の具によって、
性格は様々。なかなか難しいのです。
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                     (焼成前)
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                     (焼成後)

焼成前の色の方が好きだから、焼かないでと言われることもあるのですが、やっぱり
焼いて釉薬の光沢輝くタイルの方が素敵だと思うのですよ、私。
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# by ateliercinicini | 2010-09-07 00:54 | 日々の絵付けと作品と | Comments(1)