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Mehmet Koçer / メフメット コチェル  (キュタフヤ)

先日はイズニックを代表するアディル・ジャン ギュヴェンさんをご紹介しましたが、
今回はキュタフヤからメフメット コチェルさんをご紹介。

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メフメットさんは1951年エラズー出身。
長年キュタフヤのダムルプナール大学でチニを教え続けられ、現在キュタフヤの
絵付師さんのほとんどが、直接的間接的にメフメットさんの指導・影響を受けてます。
大学を退官された今は、チニ・セラミック会社大手の“アルトゥン・チニ”のデザイナー
として活躍中です。

メフメットさんの流麗な筆遣いは、現代チニ界随一。
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          メフメットさんの『トプカプ宮殿・割礼の間壁面タイル』の模写

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     弘法筆を選ばず!       
     トルコの筆(描き辛いんです)でこんな流れるようなラインが描けるなんて!
     美しくて鳥肌が立ちます!
  


普段は穏やかで言葉少ないメフメットさん。
ブルーアンドホワイト、特に宮廷様式のババ・ナッカシュ様式について
語りだすと熱くなり、お話が止まらない。

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チニに一徹。
チニと共に生きる姿が素晴らしい。
メフメットさんの様な絵付師になりたいなぁと思います。


アルトゥン・チニのチニはお土産物屋さんでもよく見られるのですが、
メフメット コチェルさん自身の手による絵付け作品は希少です。

そんなメフメットさんの作品が、
常滑にあるINAXライブミュージアムで現在開催されている
『青の魅惑 -イラン、トルコ、ウズベキスタンのやきもの』 ( ~2012年3月20日)
で見られます。
会期は残り、2週間となりました。
急いで常滑へGO!





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by ateliercinicini | 2012-03-07 00:10 | タイル・陶器・工房散策 | Comments(0)

魅力のキュタフヤ陶器

キュタフヤは歴史的にはイズニックの華やかさの傍で影が薄く、
15世紀、16世紀とイズニックの補佐的存在でした。
それが17世紀になると次第に存在感を増してゆき、
18世紀になると完全にイズニックに取って代わります。

18世紀のキュタフヤ。
生活日用品や宗教装飾品などを多く生産しています。
それがなんとも魅力的。
東洋風?西洋風?なんだか色々と取り入れてごちゃ混ぜなところに、
更に地域的要素も加味。
真剣に描いている。
真剣なんだけど、力が抜ける。
この頃のキュタフヤ陶器が大好きです。^^

特徴は黄色。
イズニックでは使われることのなかった色です。
18世紀中葉以降は、紫色も使われます。

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 キュタフヤでは、モスク用のタイルだけではなく、教会用タイルも生産していました。
 こんなタイルが貼られた教会。
 堅苦しくなくって、優しい気持ちになりそうです。


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          コバルトブルーの使い方、何となく東洋を意識したのかな?

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           大好きなキュタフヤ人物像シリーズ!
           全体としても、真面目に描き込んでいるんですよ。
           真剣なのは分かってますが、どうして~と思わずにはいられない。


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         野原を歩いていて、こんな人に遭ったらどうしよう。。。
         遭いたいな。^^



18世紀の後半以降、キュタフヤの陶産業は衰退する時期を経ましたが、
19世紀後半から20世紀初頭にかけて再び力を盛り返します。
その時期のものは、“ハターイ様式”や“ナチュラリスト様式”など過去の
イズニックを手本にしたものが多く見られます。


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                     うん、頑張ってる!

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               この頑張っているキュタフヤも好きです。
               素晴しく練った構図に、稚拙なモチーフ。
               そのギャップに魅せられます。


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      20世紀前半の作品。
      生真面目なデザイン。
      この頃の絵の具には化粧土が混ぜられて、プクプクと膨らみをもっています。
      ここ数年流行っているキュタフヤ陶器の原型のようですね。
     

何世紀にも渡って、陶の産地であり続けているキュタフヤ。
イズニックのような洗練されたイメージはありませんが、
作り手のひたむきさや温かさを感じられるといった点で、
キュタフヤ陶器は勝っているように思えます。




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by ateliercinicini | 2011-11-05 05:40 | 様式・文様・技法の話 | Comments(12)

筆比べ -番外編-  便利な彩色道具

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               ぷっくりと盛り上がるトルコタイルの赤。

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               何度も何度も塗り重ねて盛り上げてゆきます。
               時間の掛かる根気のいる作業です。

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      これ位まで盛り上げないと、色あせたような仕上がりになってしまいます。
             

赤は粘り気のある絵の具です。
狭い面積は気が張るし、広い面積はなかなか進まなくてため息が出ます。
赤の彩色は、結構気合のいる作業でした。


それが、こんな道具発見!
9月に訪れたキュタフヤのタイル会社で使っていたアイディア彩色道具。

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          ボンド容器のような器に粘度のある絵の具や化粧土を入れて、
          容器の先にシャーペン先をくっつけたもの。
          シャーペン先をつけるというこのアイディアが良い!

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               広い面積も一気に塗れて、
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               狭い場所も、筆よりも細く塗れます。

スゴイ!はみ出さなくって便利!とっても早い!        
こちらの会社は、ホテルや駅舎などの壁面を飾るタイルを生産されています。
何事も時間に追われる現代。
一枚ずつ筆で塗るより、大幅に時間短縮できます。

スゴイ利器!
それが、どこにでもある容器にシャーペン先をつけるだけというのが益々素晴しい!
大きな作品つくりの時に試してみようと思います。


・・・・・便利そう!と私は感動したのですけど、
ひょっとして常識でした?




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by ateliercinicini | 2011-11-03 19:54 | 様式・文様・技法の話 | Comments(10)

筆比べ -2-

オスマン朝時代のイズニックとキュタフヤ。
使う筆も違えば、顔料も違い、何よりも描き手の宮廷との結びつきの強さが違いました。
そのため、同じデザインを描いても、出来上がりは全く別物。
(違いは、“筆比べ -1-” をご覧下さい。)
それぞれに個性があって、どちらもとっても魅力的。

現在。
人は簡単に行き来し、顔料や筆も自分に合ったものを選んで使うことが出来るように
なりました。
便利になった分だけ、産地による個性がほとんどなくなってしまい大変残念なのですが、
イズニックとキュタフヤのアトリエを訪れて、よーく見ると今でも見られる筆の違い。


イズニックの筆
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             イズニックのアトリエで。

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             線描きも彩色にも丸筆を使っています。

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             ラインに強弱がある伝統的イズニックです。


キュタフヤの筆
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             こちら勝手に命名“キュタフヤ筆”。

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             線描きは丸筆派とキュタフヤ筆派がありますが、
             彩色は両派ともこのキュタフヤ筆で。

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             ラインもキュタフヤ筆で描かれた代表的な棒線描き。 
             可愛い猫にはキュタフヤ筆のラインがピッタリです。





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by ateliercinicini | 2011-11-03 07:19 | 様式・文様・技法の話 | Comments(10)

粘土 到着 !

先日キュタフヤで、注文してきたチニ用粘土。
なかなか届かない。

電話で問い合わせたら、

「R子、注文してくれたの覚えてるよ~。
 粘土と絵の具だったよね?
 送るの忘れてたよ。
 これから送るねっ。 
 明日には届くからね!
 良い一日を!」

と明るく対応、M君。

うん。
注文したこと覚えていてくれて、ありがとね。
明日には届くのね、それは、嬉しい。
良い一日になりそうよ。
あなたにとっても良い日になりますように!


そして、翌朝10時前に到着。
素晴しい!
言えば直ぐ対応してくれる、大変嬉しいですよ。
たとえ10日遅れでも。。。

私にも遅まきながら、トルコ的大らかさが身について来たようです。


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       チニ用粘土10キロです。
       週末の土捏ね仕事が楽しみ。








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by ateliercinicini | 2011-10-12 00:10 | 日々の絵付けと作品と | Comments(4)

イズニック&キュタフヤより戻りました。

イズニック・キュタフヤへの『タイル・陶芸の旅』より戻って参りました。

緊張しながらも楽しく。
楽しみながらもタフに。
目の前の作品に言葉を失ったり、
途切れる事なく語り続ける作家さんに唖然としたり。
充実した旅でした。

4泊5日の旅で、撮った写真がイズニック湖に沈む夕日のみ。
瞬間、瞬間、実感する出来事が多すぎて、
語るタイル作家さんや作品から視線を逸らすことが出来なくて、
カメラを手にすることができませんでした。
真剣に作品作りに打ち込む人の真っ直ぐな澄んだ姿。
素敵でした。
感動しました。

訪れた作家さんやアトリエの紹介は、また、別の機会に。

まずは、いつも名前だけが登場する『イズニック』と『キュタフヤ』という町について
少しずつ書いてゆきたいと思います。


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                    イズニック湖


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by ateliercinicini | 2011-10-07 05:33 | タイル・陶器・工房散策 | Comments(4)

行って参ります! イズニック・キュタフヤの旅

たまりに溜まった雑務処理に一区切り。
明日から5日間、イズニック・キュタフヤへ行って来ます。
タイル・陶器の町でアトリエ訪問です。

仕事と言えど、私、タイル描きですから、タイルや陶器に触れ、筆使いを
目で追うのは、とても楽しい。

ちょっと緊張の仕事です(実際は、かなり緊張すべき)。
それなのに、生の作品を見られる期待と興奮、嬉しさの方が勝っています。
既に手に汗をかく程に、気持ちが高揚。
熱が出てきそう。
遠足前の子供と一緒です。^^


戻りましたら、イズニック・キュタフヤ散策の報告をしたいと思います。

それでは、行って参ります!




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by ateliercinicini | 2011-09-26 16:12 | タイル・陶器・工房散策 | Comments(4)

筆比べ -1-

筆比べ。

書く字が皆各々異なるように、描く線にも個性があります。

でも、そんな個性の差なんて大差なし、と思わされる工房・地域による違い。


宮廷工房の筆
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              トプカプ宮殿・割礼の間壁面タイルより

鳥の羽一枚一枚、毛一本一本、細い葉脈まで丁寧に描き込んでます。
ラインの強弱が自然で生き生きとなめらか。
宮廷画家の自由自在、思うままに使いこなす筆使いに、只々、惚れ惚れ。


イズニックの筆
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                エユップ・スルタン廟より

イズニックも、ラインに強弱があってなめらかです。
宮廷から送られてくる図案に忠実に。
丁寧なライン描き、花のヒダ描きや几帳面な色塗りに、
絵付け職人さん達の真面目な仕事ぶりが感じられます。


キュタフヤの筆
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              エユップ・スルタン廟より

そして、キュタフヤ。
これぞ、キュタフヤ!
図案はあるけど、、、何となく似てればいい?
注文主が宮廷であっても、いつもと変わらぬ仕事ぶり。
歌いながら、お茶飲みながら、描いたのでしょうか。
ラインに強弱がなく、棒描きのようなのがキュタフヤの特徴。

ひどいんだけれど、憎めない。
しかも、なぜだか、魅力的。

ちなみに、同じ図案でイズニックで描かれたものは、、、、

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当然ですけど、真面目に仕事しています。






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by ateliercinicini | 2011-09-10 18:53 | 様式・文様・技法の話 | Comments(12)

Sıtkı Olçar / ストゥク オルチャル  (キュタフヤ)

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                  (Sıtkı 氏のsiteより)

9月23、24日、トルコタイル陶器の一大産地であるキュタフヤで、Sıtkı Olçar
(ストゥク オルチャル)氏の業績を称えてシンポジウムが開かれました。
ストゥク氏はトルコを代表する陶芸作家です。
シンポジウムや氏のアトリエの様子は、イスタンブル的陶芸生活 で山下鉄平さんが
詳しく書かれていますので、そちらをご覧下さい。
(私、筆不精なものでして、、、ごめんなさい)

ここでは、ストゥク オルチャル氏とその作品について書いてみます。
ストゥク オルチャル氏。本人に面識があろうとなかろうと、皆、彼のことを親しみを
込めて、”ストゥク ウスタ”と呼びます。 (ウスタは職人さんの意)

ストゥク ウスタは1948年、キュタフヤ生まれ。1973年より陶芸活動を開始。
アトリエ ”オスマンル チニ”を開き、当初はイズニック陶器のレプリカ、特にブルー
アンドホワイトを制作していました。
その後、次第に独自の解釈を加えて大型の器や、鳥、猫、馬などの置物へと作品を
多様化させてゆきます。
(タイル作品よりも、器や置物といった立体作品が主です。)
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           (今回の展示会の作品。 新聞 ZAMAN紙 より )

使われるモチーフはセルジューク朝期のもの、オスマン朝期から続くキュタフヤの伝統
文様が多いのですが、彼独特のアレンジにより、温かみのあるオリジナル作品に生まれ
変わります。
温かみと柔らかさが彼の作品の特徴で、それがそのままストゥク ウスタの人柄です。

ストゥク ウスタの特徴的作品の一部ご紹介。
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               (Sıtkı 氏のsiteより)

特徴は、中心をずらした構図。
伝統的モチーフ ”チンテマーニ”を思い起こさせる構図です。
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          (スルタンの象徴”チンテマーニ”)

ストゥク ウスタの代名詞的表現方法 ”モザイク”。
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               (Sıtkı 氏のsiteより)

下地に升目を描いて、埋め尽くしていくことでモザイクを表現しています。
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出来上がりを見れば簡単な手法ですが、なかなか思いつきませんよね。
コロンブスの卵!
それにしても、根気のいる作業です。ひたすら、升目を描いて塗り続ける。。。

ストゥク ウスタの作品にご興味のある方はこちらをどうぞ。
素敵な作品をご観賞下さい。
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by ateliercinicini | 2010-09-29 20:46 | タイル・陶器・工房散策 | Comments(7)