魅力のキュタフヤ陶器

キュタフヤは歴史的にはイズニックの華やかさの傍で影が薄く、
15世紀、16世紀とイズニックの補佐的存在でした。
それが17世紀になると次第に存在感を増してゆき、
18世紀になると完全にイズニックに取って代わります。

18世紀のキュタフヤ。
生活日用品や宗教装飾品などを多く生産しています。
それがなんとも魅力的。
東洋風?西洋風?なんだか色々と取り入れてごちゃ混ぜなところに、
更に地域的要素も加味。
真剣に描いている。
真剣なんだけど、力が抜ける。
この頃のキュタフヤ陶器が大好きです。^^

特徴は黄色。
イズニックでは使われることのなかった色です。
18世紀中葉以降は、紫色も使われます。

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 キュタフヤでは、モスク用のタイルだけではなく、教会用タイルも生産していました。
 こんなタイルが貼られた教会。
 堅苦しくなくって、優しい気持ちになりそうです。


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          コバルトブルーの使い方、何となく東洋を意識したのかな?

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           大好きなキュタフヤ人物像シリーズ!
           全体としても、真面目に描き込んでいるんですよ。
           真剣なのは分かってますが、どうして~と思わずにはいられない。


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         野原を歩いていて、こんな人に遭ったらどうしよう。。。
         遭いたいな。^^



18世紀の後半以降、キュタフヤの陶産業は衰退する時期を経ましたが、
19世紀後半から20世紀初頭にかけて再び力を盛り返します。
その時期のものは、“ハターイ様式”や“ナチュラリスト様式”など過去の
イズニックを手本にしたものが多く見られます。


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                     うん、頑張ってる!

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               この頑張っているキュタフヤも好きです。
               素晴しく練った構図に、稚拙なモチーフ。
               そのギャップに魅せられます。


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      20世紀前半の作品。
      生真面目なデザイン。
      この頃の絵の具には化粧土が混ぜられて、プクプクと膨らみをもっています。
      ここ数年流行っているキュタフヤ陶器の原型のようですね。
     

何世紀にも渡って、陶の産地であり続けているキュタフヤ。
イズニックのような洗練されたイメージはありませんが、
作り手のひたむきさや温かさを感じられるといった点で、
キュタフヤ陶器は勝っているように思えます。




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by ateliercinicini | 2011-11-05 05:40 | 様式・文様・技法の話 | Comments(12)
Commented by boncuk*tile at 2011-11-05 10:37 x
キュタフィアのユル~キャラの作品はスペインやポルトガルの
陶器のような、おおらかな感じに似ていますね。
(まあ、イスラムタイルが先ですが・・・)
色も、黄色やオレンジなど明るい色が多いし。
真面目で細かいイズニックとおおらかで、癒し系のキュタフィア。
さすが、アジアとヨーロッパが交わるトルコならではですね。
さくらももこ風のキュタフィア。私も好きです。
Commented by ateliercinicini at 2011-11-05 17:21
◆ boncuk*tile さん
キュタフヤ、可愛いですよね。^^
私も作り手の顔が見えるような親近感を覚えて好きなんです。
この友達が作ったの!っていう感じが、イズニックよりもトルコらしさを現している
気がします。
Commented by hisosari at 2011-11-07 22:44 x
ciniciniさん。

水差しの人物画、PCの画面に顔を近づけて見てしまいました 笑
なんていうのか・・可愛いです!
しかも、ちゃんと統一感があって人物だけ浮いている
という訳でもないですよね。さすが。

こんな水差しを家に飾っておいたら、毎日元気が出そうです 笑

それにしてもトルコの人って絵心無い人が多い気が・・
夫もこんな感じのヘンテコな絵ですよ 苦笑
Commented by ateliercinicini at 2011-11-08 04:42
◆ hisosari さん
ついつい顔を近づけて見入ってしまいますよね。
私は、キュタフヤ陶器を見ていると、知らぬ間に口を開けてしまってます。^^

おっしゃる通り統一感があるんですよね。
どの作品も絵は上手くないんですけれど、構図はどれも素敵だなぁって
惚れ惚れします。
何だか不思議なキュタフヤ・ワールドです。

トルコの人、本当に面白い絵を描かれる人が多いですね。
小中学校の美術の授業をのぞきたい気がします。

旦那様も、実はとっても素晴しい絵付けされるかも。。。
最近、イズニックでは週末になると近郊からやって来る週末陶芸家が増えている
らしいですよ。
ご夫婦でどうですか?
Commented by zeytin at 2011-11-10 04:56 x
こんばんは、
一番上の天使と5番目の写真のオヤジがたまりません。
天使とこのオヤジみたいなデザインを描いたら、
先生、怒っちゃいますか?

トルコの小中高の学校の美術の授業は
殆ど無いに等しいような・・・。
Commented by ateliercinicini at 2011-11-11 03:14
◆zeytin さん
天使とオジサンいいですよね。可愛いっ!

たぶん、これを描いたら、コンポジションはOKなんでしょうけれど、
デザイン見せた段階で、先生、口をきいてくれなくなりそうですね。。。
zeytin さんの L先生は、優しいから大丈夫かな?

小中高の美術って、一応カリキュラムはあるのかしら?
うちの大学を卒業して、美術の先生になった人って、ほとんど聞かないんですよ。
Commented by zeytin at 2011-11-11 03:33 x
小中高の美術の先生は殆どといっていいほど
マルマラ大学のAtatürk Eğitim Fakültesiの
Güzel Sanatlarの卒業の人です。
確かにミマルシナン卒業の人は殆どいませんね。

そのうち、こっそり天使とオヤジやってみようかな。えへへ。
Commented by ateliercinicini at 2011-11-11 07:46
◆ zeytin さん
そういえば、学生時代、マルマラ大Guzel Sanatlar の学生さんの宿題代行で
デッサンや模型作りをするのが、私のいた学科の人気のバイトでした。^^
あの学生さん達が、先生になるんですねぇ~。
Commented by zeytin at 2011-11-13 01:11 x
こんばんは。
なんとそんなバイトが!
マルマラには芸術学部と教育学部のGüzel Sanatlarがあって、
美術の先生になれるのは教育学部の人たちで、
バイトさせてたのは芸術学部の人たちですねきっと。

箸置きできましたか~?)
Commented by ateliercinicini at 2011-11-13 01:54
◆ zeytin さん
昨日、相方さんが箸置きの焼き上がりを引き取って来てくれました。
出来立てのほやほや。
9割は綺麗な仕上がりで、1割は焼き上がりが???だったようです。
今一だった分は、再焼成してみようという事で待ち状態でございます。

先日、イズニックで見たAçık Yeşil を使ってみました。
発色良いそうです。(私はまだ見てないのですが。。。)
無鉛釉を使っているので、鉛釉よりは鈍い色になるのですが、それでも
綺麗だということは、かなり期待できる色ですね。
Zeytin さんも、見に来てくださいね~。

Commented by zeytin at 2011-11-13 22:02 x
こんにちは。
出来上がりましたか?
では近々お伺いしたいと思います。
Açık Yeşilの色も興味津々です。
Commented by ateliercinicini at 2011-11-13 22:59
◆ zeytin さん
お待ちしておりますよ~。
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